都心にある新宿御苑にも
そのような思わぬ出会いと驚きをもたらす
大温室があります。

栽培技術の研究のために花や野菜を栽培し、
皇室鑑賞用と食用の植物を育てるなどの歴史を経て
今大木戸門の近くの小高い丘に佇んでいる
全面ガラス張りの立派な大温室は
2012年（平成24）にリニューアルオープンしたもので
絶滅危惧種の保存にも取り組んでいる
環境配慮型温室だそうです。

つまり、
ほかではなかなか目にかかれない
極希少な植物も、
ここでは思う存分に堪能できるってこと！
それだけでワクワクしますよね(^O^)／

広さ2750㎡、高さ15ｍの室内には

・人と熱帯の植物
・熱帯池沼の植物
・沖縄コーナー
・熱帯低地の植物
など

8つくらいのエリアに分かれていますが
熱帯植物のびっしりと繁る豪快な生えっぷりは
ジャングルにでも入ったような気分をさせ
南国・台湾出身の自分には
懐かしくもあり、新鮮な感じもして
見回っていてとても楽しかったです。

年を取るにつれて
動物だけでなく
動くもできなければ声も出せない植物でも
形やら色やら生え方やらに
それぞれ個性があって
決して重複がないユニークな「個体」だということに気づき
凄く愛おしく思えてきます。

園芸ショップや花屋を通りかかるたびに
いつも思わず足を止めて観てしまいます。

ここの植物は
それのグレードアップバージョンと言いますか
もう芸術の域まで達したように感じられ
精巧さと趣を持ち合わせたものが多く
本当にいつまで見ても飽きません。

温室のデザイン自体も、なかなかの見もの。

優雅なスイレンが咲いた池があり
池に流れ込む滝があり
滝がのれんのようになっているトンネルがあり
トンネルを掘り抜いた岩山があり…

起伏かつ奥行きのある立体的な景観も
驚きの連続ですが
壁と天井の幾何学模様の骨組みと青空と白い雲が
鏡のような池に映り込む情景は
何といっても美しい！

岩山に架かった橋に登って眺めたら
池はまた違う表情に変わり
光と水が織り成す幻想的な美しさはうっとりするもの。

▲（動画）池・滝・橋などがあって楽しいし、色んな景色も楽しめて最高。

そもそも温室って暖かくて
夏には不向きなんじゃないかとちょっと不安でしたが
意外とそれほど暑くは感じませんでした。

この大温室にある植物は極端な高温を好むどころか
地中にクールチューブを埋め込んだり
天井パネルを開けたりして
暑さを抑えてあげないとうまく成長できない
苦手なほうらしい。

ふーん
熱帯や乾燥地域の植物は
必ず高温を好むというのも
先入観ということだったんですね。
実に面白いです。

ちなみに、
近くに昔皇族が温室を訪れるときの休憩所として使ってた
「旧洋館御休所」という
こじんまりとした洋館があります。

この建築様式が和洋折衷の洋館は
東京大空襲で焼失を免れ
明治大正期の皇室ゆかりの庭園休憩施設で
唯一残された遺構というのもあって
国の重要文化財に指定されたそうです。

当時の風貌はそのまま残っているわけですね。

その華美な情景に思いを馳せながら
見学するのも、一興でしょう。

いかがでしょうか？

温室は一年中同じ暖かい温度を保つので
いつ行っても同じようなものが目にするのかなと
勝手に思っていましたが
そんなことはなく、
4月に来た時と全く違った花が咲いたり種が実ったりして
本当に興味深かったです。

そんな変化も含めて
一年中楽しめるスポットだと改めて実感しました。

たとえ名前がいちいち覚えられなくても
（500種類以上あるので、
覚えるのはそもそも無理！）
「こんな植物もあるんだ」と認識できるのは
自分の世界が広がり
とても嬉しいことですよね。

 

🍃アクセス：

新宿門（メインゲート）から
　都営地下鉄新宿線・東京メトロ副都心線 「新宿三丁目駅」 徒歩5分
　東京メトロ丸の内線「新宿御苑前駅」徒歩5分
　JR・京王・小田急線「新宿駅」南口 徒歩10分
　西武新宿線「西武新宿駅」 徒歩15分