前回に続き、田端の話です。
「山手線沿線」と聞くなり、頭に浮かんだ新宿や池袋の華やかなイメージと真逆に、娯楽施設がほぼなく、お店の数も多いとは言えない田端は、山手線に関するランキングで上位を取っているのは、「最もダサい駅」や「一番存在感が薄い駅」など、少し敬遠されちゃいそうなものばかりです。
©line corporation
▲近年地元の方が「山手線で一番無名!」などの自虐ネタを用いて作ったlineスタンプが大きな人気を呼び、逆に有名になりつつあります笑
▲駅の南口に関しては、もはや名物レベルですよね笑。
まるで昭和初期から時間が止まっているような無人改札の駅舎は、お供は一台の自動販売機だけ。周りに葬儀社以外、お店など何もありません。
ただ、あの新海誠監督の大ヒット映画『天気の子』でかなり重要なシーンのロケ地に選ばれているため、アニメファンにはひそかに注目されていること間違いなし。
▲街を歩いていると、たまに住民のユーモアが感じられるものに出会っちゃいます笑
では、
「住みたくないの?」
と聞くと、どうでしょう?
「遊ぶ街」と「住む街」に求めるものはそもそも異なっており、特に小さい子どもがいる家庭には、華やかさやキラキラさより、安心感や穏やかさのほうが大事だと思うので、逆に「田端のような街がいい!」と思っている人が少なくないと思います。
というわけで、勝手ながらりょうの思う「田端と相性がいい」人を、下記のようにまとめてみました。引っ越しの際の参考材料になれればとても幸せです(^^)
①山手線沿線に住みたい人/交通利便性を重視する人
いくら地味でも、JR山手線沿線の駅という事実だけで、直感で「住みたい」と思う人が少なくないはず。新宿や池袋、東京、渋谷などのメインストリートへ乗り換えなしで行けちゃうというアクセスのよさは、やはり大きな魅力点ですね。
また、【JR京浜東北線】も乗り入れており横浜や中華街へ気軽に遊びに行けるし、日暮里から成田空港に、品川から羽田空港に直接アクセスできるため、海外へ出張や旅行するときも便利。
ちなみに、旧古河庭園や飛鳥山公園などの名所、そして中央図書館や区役所などを回る北区コミュニティバス「Kバス」は運賃均一で100円。
というわけで、交通アクセスに重きを置く人には一番おススメできると思います。
②メリハリのつく暮らしをしたい人
様々な娯楽や商業施設が集まる大都会に住むと、ついつい毎日遊んでしまい、虚しくなっちゃったりするときがあります。喧騒やオシャレな人たちに囲まれると、気が張ってしまい疲れてしまうときも。
それに対し、田端は素のままでいられる街なので、割と気楽だと思います。
▲ここで着飾ってもしょうがない…ね!笑
そして前述の通り、田端は都内のどの有名な繁華街にも乗車時間30分内で到着でき、自転車があれば、上野には16分で行けて終電を逃してしまってもうちへ帰れます。遊びたいときは思いっきり遊べ、休みたいときはゆっくり休め、そのようなメリハリの付くライフスタイルがいいと思う人なら、きっとのびのびと田端で暮らせるでしょう。
③とにかく節約したい人
山手線沿線の中古マンションの相場から見て、田端は安いほうに属します。「節約をしたいのに山手線沿線の利便性も捨てがたい」という人にはいいですね。おまけにお金を使う場所が少ないため、「ついうっかり買ってしまった」ような予定外の出費は抑えられ、しっかり貯金計画に従えると思います。
使いこなすと、節約すると同時に生活の質も確保できちゃいそうですね👍
④混むところが苦手な人
大都会の街だと、高層ビルが空にそびえたち、まさにコンクリートジャングル。昼夜問わずにぎやかで、街中に人であふれます。
そのような場所が苦手な人、もしくは「住むならイヤ」と思う人なら、田端が一つのいい選択肢でしょう。風俗街もなければ大型商業施設もないだけに、治安がよく煩わしいキャッチもありません。その代わり、開放感のある空が目の前に広がるのです。
▲一番広く感じるのはここかな。駅前から伸びる「ふれあいの橋」。
⑤文学マニア
知る人ぞ知ると思いますが、田端は堂々たる「文人・芸術家村」だったのです。
1989年に東京美術学校(現在の東京芸術大学)が上野で開校され、若い画家や彫刻家が近辺の田端に移住するようになったのがそのきっかけでした。およそ半世紀にもわたり、百人を超えた文人や芸術家がこのあたりに住んでいました。
そのなかで一番名高かったのは、文豪・芥川龍之介。彼が自ら命を絶つまでの約13年間住んでいた屋敷は、残念なことに、文人村の大半の旧居と同じく震災やら戦火やらに焼けてしまい、今になっては「跡地」しか残っていません。
つまり、昔の面影なんて全く感じることができないのです。
そのため、ただの文学好きならあまりお勧めできませんが、「〇〇先生と同じ土地で暮らし、同じ空気を吸ってる」だけで感動しちゃう、曰くコアな文学好きなら、きっと幸せな毎日が送れるのでしょう。
⑥鉄道マニア
「何もない」と言われているのに、よく見てみると意外とあれこれある田端(笑)。
もう一つの特徴は、「鉄道」。
田端は山手線の中で、唯一踏切や新幹線の車両センターがある駅で、鉄道ファンの間ではかなり名高いらしい。駅の周辺には鉄道のモニュメントが展示され、壮大な車両基地では普段あまり見られない電車が止まったりしています。
ここでも「ただ」を言わせていただきますが、EF65やEF81など様々な電気機関車が並ぶ車両基地「田端運転所」は関係者しか立ち入れなく、近くでその凛々しい佇まいを拝見することができないのです。
遠く(もしくはフェンス越し)から見られるだけで幸せ!というゴリゴリの鉄道ファンなら、田端に住む醍醐味がきっとわかってくれるはず。
いかがでしたでしょうか?
まとめて言いますと、
■山手線沿線に住みたい人/交通利便性を重視する人
■メリハリのつく暮らしをしたい人
■とにかく節約したい人
■混むところが苦手な人
■文学マニア
■鉄道マニア
は、りょうの思う「田端と相性ドンピシャの人」。
また、崖の中腹に駅が構えるという特殊な立地にあるため、田端に坂道がよほど多い。
日頃から足腰を鍛えておきたい人にも、お勧めできると思います。
住環境はリフォームなどで自分の好みに合わせられるようなものではないからこそ、ある意味、部屋探しの段階で自分のライフスタイルに合うかどうかより厳しい目でチェックしておくべきだと思います。
相性が悪いのに皆がいいと言っているから無理して住んでみて、ストレスがどんどんたまっていくだけなら、元も子もなくなります。大切なマイホームを見つけるときは、やはり他人の意見に惑わされず、自分の心の声に従いましょうね!
では、これからも都内の街を紹介していきますので、また次回お会いしましょう!(^^)/
※記事掲載時の情報です。
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自然・銭湯・街歩き・芸能、そして日本が大好きな台湾人。
日本に来て3年経っても、いまだに新しい発見が色々あり
プライベートでもよく街歩きを楽しんでいます。
そんな私なりの視点から、都内の街の雰囲気をリポートしているのですが、
日本人自身も気づいていない魅力ポイントがたくさん潜んでいるのではないかと思います。
引っ越しの際のご参考になり、自分の故郷の素晴らしいところも再認識していただけたら、とても嬉しいです。