まず特筆すべきなのは、
豪華絢爛(?)の商店街

 

そもそもなぜ「三軒茶屋」と呼ばれているのか、気になる。調べてみると、江戸時代には徳川家歴代の将軍をはじめ、信仰を厚く集められた「大山阿夫利神社」への参詣ブームが流行っており、その途中のちょうどよい休憩スポットとして、「信楽」、「角屋」、「田中屋」といった三軒の茶屋が立っていたのが由来だったらしい。

今はその一つの「田中屋」しか残っておらず、当時の建物は焼失してしまったそうで、現在は茶屋ではなく陶磁器屋「田中屋陶苑」として営業しているそうです。

それにしても、駅の周辺にあるいくつかの商店街は回れば回るほど、人々の胃袋を多種多様なグルメで満たし、活気あふれながらもどこかほっとする空気が流れているこのエリアは、今でも昔と変わらず憩いの場として活躍しているんじゃないかと感じました。

▲南口の「栄通り商店街」は迷宮のようにあちこちの脇道に繋がっており、生活に便利なスーパーや百均がありながら、温かみのあるカフェにノスタルジックな喫茶店、レトロモダンなパティスリーにスイーツ店…。気になるお店が相次いで目に飛び込んでくるので、ワクワク心が躍って探検の気持ちで回れました。

【左】最近竹内涼真さんなど芸能人のなかでも芋にドハマりする者が続出し、朝の番組や有名な雑誌でもよく取り上げられているようですが、そんな「芋好き」から注目を浴びているお店の一つはここ「OIMO 三軒茶屋店」(駅から徒歩1分)。スイートポテトで作った色とりどりの生菓子は手土産にしても喜ばれること間違いなし。
【右上】そのすぐ近くの「トラットリア エ ピッツェリア ラルテ」は本格ピザが味わえる大人気のナポリピッツァ協会認定店。
【右下】本店が池袋の「節骨麺たいぞう 三軒茶屋店」(駅から徒歩3分)は魚介と豚骨スープ×ニンニクの効いたラーメンがいただけます。8時から営業しているので、朝ラーも楽しめちゃいますよ♪

北口に行くと、また違う雰囲気。大手飲食チェーン店やドラッグストア、ファミレスからカラオケ店、服飾店まで林立する風景(上)はいかにも「ザ・都会」という印象をもたらしますが、昭和の面影が色濃く残る「アーケード街」(左下)・「エコー仲見世商店街」や小さな飲み屋が軒を連ねる「すずらん通り商店街」(右下)も交ざっているためか、どこか懐かしい気持ちになります。

▲夜になって中華風のちょうちんが灯ると趣が倍増する「すずらん通り商店街」。映画のワンシーンのような雰囲気がステキですね♡

 

次は三軒茶屋を語るのに
欠かせないランドマーク!

 

北口に来れば、まず高く聳えた「キャロットタワー」に目が行ってしまうはず。1996年にオープンしたこの駅直結の複合商業施設は、オフィスや行政窓口のほかに、工房ギャラリーやキッズルーム、パブリックシアター、そしてTSUTAYAやコーヒーショップなど生活で様々なシーンで活躍する施設やお店が一堂に会しており、どんな時間帯でも賑わいを見せています。

ちなみに「キャロット」というのは、「にんじん色の外観」にちなんだらしい。ふふふ、覚えやすい可愛らしいお名前なんですね!

ここに来て決して見逃せないのは、26階にある「展望ロビー」。一面のガラス張りとなっている展望エリアから、駅周辺の街並みはもちろん、富士山を含めた伊豆・箱根方面も望めたので、テンションがぐっと上がってしまいました。

窓際に設置された案内板を見ながら眺めると、楽しさが倍増しますよ♪

▲昼間の眺望だけでも十分見る価値があるのに、夜景はそれを凌駕する息を呑む程の美しさ!夕方に鮮やかな色に染まる空と交じり合う富士山や街の輝きも圧巻で、そんな絶景がただで見られるなんて、本当に地元の人が羨ましすぎます!

▲2017年11月にリニューアルしてさらにオシャレになっているロビー。雰囲気のいいレストランとカフェもあって、デートスポットとしても最適♡

▲ロビーの隣にスタジオもあり、月曜〜木曜の13時〜17時の間なら、なんと全国80局ネットで全世界へ生放送するラジオ番組「アフタヌーンパラダイス」の収録風景が見学できます。話が面白かったので、下の風景を眺めながらついつい耳を傾けてしまいました(笑)

 

個人的イチオシなのは
「楽しい」たっぷりの世田谷公園

 

賑やかな空間に長時間いてしまうと、疲れちゃいます。そんなとき、無性に自然が恋しくなることがありますよね。「世田谷公園」は、まさにそういう心の疲弊をさりげなく優しく癒してくれる、都会のオアシス♡

敷地が広く、ワンちゃんやエネルギッシュな子どもをのびのび走らせたり、まったりピクニックしたりできる公園って、都内にはたくさんあるので、「それで?」と感じてしまうのかもしれませんが、「ミニSL」が走っているよと聞くなり、特別感がぐっとアップしちゃうに違いない。

区制50周年を記念し、1982年5月に開通した「ちびくろ号」は、約3分で一周するペースで木立が生い茂った森のような園内を走り回っています(※運行日や運行時間は公式サイトにてご確認ください)。

大人100円、小学生50円、小学生以下無料という気軽に乗れる値段設定もありがたいし、たとえただ走る雄姿を眺めるだけでも楽しいですね(^^♪

おおおカッコイイー♡間近で見るとやっぱり迫力がありますね。私なんかにもたまらなかったから、乗り物大好きな人にはなおさらなのでは?

▲そしてこちらがホンモノ。正真正銘のD51形蒸気機関車272号✨さすが80年以上の歴史を持つ大御所で、貫禄が感じられる佇まいは凛としていて見惚れました。
車内には入れませんが、外側のデッキ部分に乗ったりした男の子たちが楽しそうでした。

▲その隣にもう一つの「乗る」スポット・若者に人気な「スケートボード広場」があり、取材の日にちょうど華麗な技を魅せてくれる凄腕くんがいて、思わず見入ってしまいました。

 

こちらも乗りたまえ!
レトロ情緒満点の「世田谷線」

 

話をちょっとそらしますが、歴史ある電車に乗るのであれば、1925年(大正14年)に開通されてから今でも現役で走っている東急「世田谷線」がおススメ。

「三軒茶屋」駅は渋谷に直通する東急「田園都市線」が便利ですが、実は下高井戸駅までの5kmの区間を走る路面電車「世田谷線」の始発駅でもあり、利用しやすいです。クラシックな造りの駅自体も見もので、夜にライトアップされるとさらにオシャレに見えます。

▲2両編成の車両には9つのカラーバリエーションがあるらしく、電車が来るたびに「どれになるかな」という期待感がこみ上げてきます。

ちなみに、「三軒茶屋」と「下高井戸」以外の駅には改札がなく、車内で運賃を支払うことになるので、海外の連結バスに乗る感覚に近いのかな。それもまた、面白いんです(初めて乗ったときは何が何だかわからなくてテンパっていましたが笑)。

▲そして前回の記事にもご紹介しましたが、2019年から世田谷線開通50週年を機に、大人気な「幸福の招き猫電車」も再び仲間入りしてくれました。どうせ乗るならメルヘンチックな気持ちにさせる猫電車に乗りたい!と思う方、要チェックですよ(^^♪

 

さあ再び公園へ
まだあるよ!楽しいもの

びっくりしたのは、交通公園じゃないのに、ミニSLに機関車の展示にスケートボード広場、そして足で漕ぐゴーカートまでが世田谷公園に揃っていて、どんな年齢層の人でも「乗る」が楽しめること。

ホワイトボードに乗車時刻を記入すれば、1回10分で(並んでいない場合は好きなように)コースのある交通広場を回れます。ミニ信号や踏切、標識がついているので、子どもに遊びながら交通ルールを身につけさせる、絶好の教育の場なんです✨

うぉぉぉぉ。めちゃ楽しそうー。こんなときに限って、なんで自分が大人になっちゃったんだろうと嘆かざるにはいられません涙。

もう一つこの公園には、私がそのためだけでもまた是非来たいと思わせるスポットがあります。それは、「ごくせん第2シリーズ」や「まだ結婚できない男」など、ドラマやCMなどでよく登場している、世田谷公園のシンボルでもある「噴水広場」です。

「噴水広場」の中心となるのは、冬場でも色とりどりの花壇に囲まれた大きな六角形の池と、その中央にある大きな噴水。しかも、水が単調に噴出するのではなく、各部分から出たり止まったり、最後に数秒だけ、一気に勢いよく水が出て、クライマックスを作る。まるで「ダンス」をしている踊り子のよう。

写真好きなら、ベストな瞬間でシャッターを押すために、その繰り返しを待ち構えること間違いなし。たまに眩しい虹が白いしぶきのなかに広がり、更にフォトジェニックになります♡

【上】一気に水が出る瞬間がすごく迫力で、尚且つモニュメントの形が渋い噴水は、いくら見ても飽きません。
【左下】そもそもこの広場は趣深い洋風な造りで、海外の公園にいるような気分にさせます。隣の「タイムカプセルの丘」に登れば広場全体を目に収めることができて、特にツツジが咲き誇る季節にはお見事ですよ。
【右下】池の周囲にベンチが数メートルおきに設置され、景色を眺めながらお弁当を食べたり、読書したりくつろいでいる人を多く見受けます。近所であれば毎日こうやってリフレッシュしたいですね。


▲ちょっとだけ動画を撮りましたが、そのチャーミングな「ダンス」をどうぞご堪能ください(^^♪

▲嬉しいことに、飲み物やアイス、玩具を売っている売店もあります。手ぶらで来てしまっても小腹を満たすことができるのは嬉しいですね。

もうここまで長々と紹介しても、カエデ広場やさくら広場、子どもたちが自由に遊べるユニークな「プレイパーク」など、まだまだ見所を語り切れていないなんて、凄くないですか?

調べてみたところ、世田谷公園は1965年に東京都から移管された際に、改修がてら園内施設の設計を公募によって行ったそうです。道理で遊び心満載で、普通の公園と一線を画した面白い施設ばかりなんですね。

世田谷公園のすぐ近くに、道路を挟んで東側の「川の公園」と西側の「山の公園」に分けられた「子どもの広場公園」もあり、1973年開園ということで、世田谷公園よりさらに歴史が長いです。

ここも当時区内の小学校から募集された子どもたちのアイデアを基に設計したらしく、2022年3月までは「川の公園」は改修工事中で入れませんが、楽しくないはずはない。完成後はどんな姿にグレードアップするか、ますます目が離せませんね!(^^♪

 

おさんぽがてらのグルメ、
やっぱ最高!

 

ところで、周りに美味しいごはん屋さんや喫茶店なしには、いくら素敵な公園でも完成形とは言えないというのは、私の持論です(笑)。

スーパー銭湯や温泉施設に漫画や食事コーナーが設けられ、お風呂から出て暫くゆっくりしてから、またお風呂に入るのと同じく、公園で遊んで疲れてきたらふらっと立ち寄って、お茶したりごちそうをいただいたり気分転換してから、また公園に戻って遊ぶんです。そんな休日こそ、最高に充実して幸せじゃないですか!

そして世田谷公園はまさに、そんな理想まで実現してくれる公園なんです。

【上】リンゴがゴロゴロ入っているアップルパイ専門店「GRANNY SMITH APPLE PIE & COFFEE 三宿店」は期間限定のメニューもあって、選ぶことも楽しみの一つ。晴れの日にテイクアウトして公園でいただきましょう(^^♪
【左下】ファイヤーハウス、ブラザーズと並ぶハンバーガー御三家「ファンゴー」はボリュームたっぷりのハンバーガーが絶品です。
【右下】「和kitchenかんな」はテレビで紹介されたこともある和定食とオリジナルかき氷がいただける食べログスイーツ百名店。山のように盛り付けられたふわっふわのかき氷は写真映え抜群で、全メニュー制覇するためにも何回も足を運びたくなっちゃいます。

 

いかがでしょうか?

 

渋谷に近い
レトロカワイイ電車に乗れる
商店街&銭湯がある(しかも複数)
遊び心が詰まった公園
富士山の望める展望台
美味しいお店が多い
そして推しの俳優さんに会える(夢が大事)

 

ざっくり挙げてみるだけで、これだけ魅力ポイントが出てくる「三軒茶屋」。

原宿や下北沢のようなアート的な感じとは違って、スタイリッシュなお店が点在しつつ、格安スーパーや下町色濃い商店街が存在感を放っており、「オシャレな街」より、「暮らしやすい庶民的な街」のほうが、しっくりくるのかもしれません

そしてキャロットタワーの命名や、公園の設計プランは町の人たちを巻き込んで決めたのも、とても印象に残ります。そうすることで、より一般の人たちの心に刺さるものになれるだけでなく、みんなにとって思いのある街づくりもできて、大事に住み継いでいこうと思えるようになるのではないかと、私は思います。

軽い気分でいいから、その程よい都会感と程よい落ち着き、そして地元の人たちのアイデアが織り混ざった新旧混合であたたかい空気を、ぜひぶらぶらしながら肌で感じてみてください♪

 

 

※記事掲載時の情報です。
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三軒茶屋の周辺にある物件をチェックしよう!