「買うは一瞬、住むは一生」という格言があります。人生で一番大きな買い物なのに、買う時の目先のことだけを考えたら失敗します。何故なら買った後の方が、ずっ〜と長いのですから。

中古住宅は、1部屋1部屋ごとに建物のコンディションが違います。また、保証が有るか無いか
も部屋ごとに違います。
それらの違いをきちんと説明し、リスクも合わせて公開してもらえるかどうかは、購入後のトラ
ブルを防ぐ上で非常に重要となります。まさに、いい物件選びは、いい会社選びと言えます。で
は、その不動産会社選ぶポイントとは一体どこなのでしょうか?
拙著「プロだけが知っている!中古住宅の選び方・買い方」(朝日新聞出版)でも解説した7つ
のポイントをご紹介します。
◆中古物件に対する会社の姿勢をチェック
「10年で3割が廃業する」のが不動産業界です。中には廃業・開業を繰り返す悪質な業者もいま
す。安心できる不動産会社選びのポイントを知っておきましょう。
1、社長の顔が見られる
全国にある不動産会社の大半は従業員4名以下の中小企業です。必然的にワンマン経営の傾向が強くなり、トップが会社の性格を決めることになります。ホームページに社長の顔写真とともに経歴や方針が掲載されている企業なら安心感は高いと言えます。
2、アフターサービスが明確
中古住宅では経年劣化によるトラブルはつきものです。不動産会社がどのようなアフターサービスを提供しているかはきちんとチェックするべきです。
3、事務所が分かりやすい場所にある
物件を販売した後も、きちんと責任を取ろうと考えている企業なら、事務所はそれなりの場所に構えるはずです。雑居ビルの2階以上に事務所を出しているような不動産会社は、社名を変えながら転々としている悪質業者の可能性もあり、避けた方がよいでしょう。ビルの1階に事務所を構えていれば、中の様子が見えるので安心です。
4、ホームページの情報が充実している
ホームページは会社の方針やサービスを知ってもらうための貴重な手段です。内容の充実度をチェックしましょう。物件情報だけでなく、契約の際にはどんなチェックをしてくれるか、購入後に提供してくれるサービスはあるかなど、顧客に対するサポートの姿勢を確認します。細かいところですが、問い合わせ用の電話番号が目立つところに記載されているかどうかも一つのポイントです。また、物件情報などが定期的に更新されているかどうかも確認するようにしましょう。
5、中古住宅の取り扱いがあるか
店舗前に貼り出されている広告、あるいはホームページに掲載されている物件情報などに、中古住宅の取り扱いがあるかどうかをチェックします。新築しか出ていないようなら、中古目当ての顧客は相手にしていない可能性が高く、他を当たった方がよいかもしれません。
6、異業種連携が行えているか
不動産会社が自社だけでできることは限られています。顧客本位のサポートを行うためには、建築士、ホームインスペクター(住宅診断士)、弁護士税理士、司法書士、ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士など、各業種のプロフェッショナルとの連携が重要です。
7、客の希望する連絡手段で連絡してくるか
「連絡はメールで」と伝えているのに電話してきたり家に訪ねてきたりする営業担当者がいます。おそらく上司に「直接会って話をしてこい」と命令されているケースです。希望どおりの連絡手段を使ってこないような営業は、強引な勧誘をしてくる可能性があります。
これらの中でも「2、アフターサービスが明確」は特に重要です。家は買う時は一瞬ですが、住んでからの方が格段に長いものです。その間に寄り添ってくれる会社かどうかで、満足度は大きく変わるということもチェックして欲しいと思います。