【日本製は素晴らしいのか?】
いよいよ東京オリンピックが開幕しました。開会式では、パナソニック社製の最新鋭のプロジェター装置による映像に称賛の声が挙がっています。
ジャパン・アズ・ナンバーワンとも言われた日本の技術力ですが、実は外国に行かれた方は気付かれることが多いかと思いますが、空港の大型モニターをはじめ、各国の家電製品コーナーには日本製以上に、もっと多くの中国製品や韓国製品が並んでいます。
以前、米国に住む知人にこんな質問をしたことがあります。
「でも、やはり日本製の方が壊れないでしょう?」と、結果的には時代錯誤のようなことを聞いてしまいました。
私の質問への回答はこうです。「日本製?いや、他の国の製品も全然壊れないよ」と。。。
”日本製=性能が良い” これは間違いではありませんが、それ以上に他国の製品性能が上がっていることに対しては、少しおごりもあったようです。
【新築の方が性能が良いのか?】
さて、こうしたある種の思い込みは住宅にもあります。
欧米では日本のような新築神話はありません。むしろ、中古住宅の方が「問題があるのか?無いのか?」が既に見えているので信頼できるとさえ言われます。
地震の多い日本では、たとえば地盤が良いか?という心配をされる方がたくさんいらっしゃいます。
これに対して、「○○工法」であるとか「○○装置」が付いているといった、いわゆる「施し(ほどこし)」を信頼することもポイントですが、「何十年もここに建ち問題がなく、周辺の建物も同様である」という実績はさらに重要であり信頼に値すると言えます。
【築年数って大事?】
新築の着工数の5倍もの中古住宅が取引される米国で家を購入する際、日本でよく聞かれる「築何年?」という質問はあまり聞かれないそうです。あくまでも確認程度だそうです。
図は米国の日本でいうところの「販売図面」「リーフレット」にあたるものですが、こうした図面を元に物件を見学するのは日本と同じですが、見てわかる通り丸く囲った「築年数表記」はあまり目立ちません。ちなみに、間取りの記載もないというのも特徴です。
【中古住宅だから得られる信頼】
実は、国土交通省では「中古住宅」という表記を変えようとしています。「既存住宅」と表現したいそうです。おそらくそれは「中古」という言葉のイメージが良くないから?なのかも知れません。
確かに「既存」という言葉からは今回取り上げたような「既にある」すなわち「実績」という印象が湧きます。
しかし、まだ「中古住宅」の方が馴染みがあるようなので、ここでは「中古住宅」という表現を使っては行きますが、大事なことは、住宅購入において「これから期待するもの」と「既に立証されている」とはきちんと分けて考えて判断することは重要なのだと思います。