東京都の新宿区と渋谷区にまたがる、
およそ18万坪(約58.3ヘクタール)の広大な敷地を誇る「新宿御苑」は、
たとえ行ったことがなくても
一度は耳にしたことがあるだろう日本を代表する名園。
その名称の「御苑」を聞くと
何となく皇室ゆかりの庭園だとわかり、
凝りに凝った華美な庭園が広がる光景が思い浮かぶと思います。
自分もその一人であり
実際に訪れるまでは、
そのようなイメージばかり持っていました。
ですから、御苑内には
自分の大好きな緑が鬱蒼とした森のような場所も存在することを知った時
本当にびっくりして大興奮しました!
それは、
「母と子の森」というエリア。
なんか、とても暖かくほっこりする名前なんですね。

▲園内の案内図で示した通り、「母と子の森」は「旧洋館御休所」を過ぎたところにある「北エリア」に属する。

▲一番近いのはメインゲートの「新宿門」(ほかに「大木戸門」や「千駄木門」がある)。「新宿三丁目駅」 か「新宿御苑前駅」から出て5分ほど歩くと見える。 ※駐車場は「大木戸門」横の一か所のみ。

▲大きいお荷物が預けられるコインロッカー(有料、300円・500円)は入ったところにある。

▲ゴミ箱もちゃんと設置してある。


▲この辺の木立が高く、陽射しに包まれる濃淡のある緑は眺めるだけで気持ちがいい。

▲異なる表情を持つ木々がひしめいており、一本ずつ観察していくのも楽しい。樹齢は120年以上と見られる巨大な「モミジバスズカケノキ」もその一つ。

▲所々にベンチがあるので、歩き疲れてきたらいつでも小休止できる。

▲入園料はかかるが、その分管理も手入れもちゃんとされており、お子様連れでも安心して散策できる。

新宿門を通過して続く木道の園路を進むと、
とても不思議な空間にたどり着きました。
「整った庭園」から「自然の森」に入ったことがすぐわかるくらい
周りの景色も空気も一変し
どこかで神秘的な雰囲気が漂っていて
まるで宮崎駿のアニメの世界に踏み込んだかのよう。
視線の先に、太い木々が聳え立っており
その根元の地面から
にょきにょきと伸びている「何か」があります。

一見タケノコに見えますが、
近寄って見ると
ネコちゃんというかキツネちゃんというか
祈っている昔の服装をする中華系の少女というか
色んな可能性があり
色んな想像力を膨らませる
とある彫刻家の魂を込めた作品の屋外展示かのように
ユニークな形をする木っぽいものたちでした。

耳の短いうさぎちゃんや
変わったジェスチャーをする指に見えるのもあります。
「あれ、な~に?」とインスプレーションをくすぐるゲームを
恋人同士や親子そろってやるのも楽しそうですね。

それらは生き物に見えすぎて
まるで今にも動いて会話するように生き生きしているので
愛おしくさえ感じてしまい
つい話しかけたくなる危ない状態に陥ってしまった私(^▽^;)
調べてみたらそれらは実際、
明治初期から100年以上もここに立ち続けている
由緒あるラクウショウの巨木の根っこで
呼吸根こと「気根(きこん)」とのこと。
「気根」というのは
どこにでも形成するものではなく
ラクウショウの原産地の北米のような湿地や沼地に
植栽されるものだけ生えるものだそうです。
なぜかというと
なんとか地上や水面に出さないと
根っこは呼吸できないからです(笑)。
植物も、生きるために色々知恵を絞り
居る環境に合わせ
変貌したりする工夫をしているんですね。
命って本当に奥深いものだと改めて実感しました。

特筆すべきなのは
新宿御苑でのラクウショウは
渋谷川の源流地域かつ
江戸時代に飲み水を供給するために作られた「玉川上水」が流れていたことで
形成したとても湿潤なエリアにあるので、
気根の発達ぶりは都内でめったに見ない貴重なものだそうです。
それだけでも一見する価値がありますね。

ちなみに、
ちゃんと説明を読むまでは
てっきり「母と子の森」はラクウショウの木々(母)とその気根(子)のことだと思ってしまいました(汗)。
完全に親子丼みたいな概念にとらわれてしまったんですね(無関係か)
実際、ラクウショウの森はあくまでも「母と子の森」の外周にあるエリアで
中に足を踏み込むと、
「いきものの森」や「巨樹の森」、「里山の森」などいくつかのエリアもあり、
様々な野鳥や昆虫がモサモサと茂っている雑木林や
自然のままの小川や池に生息しています。
本当に全く都心とは思えない野性味あふれる空間になります。
というわけで、「母と子の森」は、
「お母さんと子どもが一緒に自然を観察し、
親しむために造られた環境教育の森」であって、
ラクウショウの森の景観に因んでつけられた名前ではありません。

いかがでしょうか?
正直、新宿御苑は1949(昭和24)年から国民公園になっているとはいえ
皇室庭園だったので
もっと敷居が高いものだと思ってしまいました。
蓋を開けてみたら全然そんなことはなく
もちろん管理はきちんとされていて
警備員さんがよく巡回し
マスクをしていない人やルール違反の人に声をかけたりして
園内の風景も本当に美しくて見惚れるものばかりでした。
でも
決して高級レストランやセレブのパーティーのように
自分のような普通の人が近寄りがたく
居づらく感じてしまう場所ではありません。
むしろ
歩いているうちに
日頃の出来事で落ち込み気味の気持ちが晴れてきて
癒し効果抜群の最高のスポットだと感じました。
今となっては
入園料も多少かかるし(大人500円、中学生以下無料)
代々木公園くらいでいいやと思ってしまった自分を
殴ってやりたい気持ちです(暴力はよくない)。
「ラクウショウの森」以外の
「母と子の森」のほかのエリアも含め
素敵なスポットは庭園内にはまだまだあるので
これからは少しずつ皆さんに紹介していきますね!
どうぞお楽しみに!(^O^)/
🍃アクセス:
新宿門(メインゲート)から
都営地下鉄新宿線・東京メトロ副都心線 「新宿三丁目駅」 徒歩5分
東京メトロ丸の内線「新宿御苑前駅」徒歩5分
JR・京王・小田急線「新宿駅」南口 徒歩10分
西武新宿線「西武新宿駅」 徒歩15分
千駄ヶ谷門 から
JR総武線「千駄ヶ谷駅」 徒歩5分
都営地下鉄大江戸線「国立競技場駅」 徒歩5分
大木戸門 から
東京メトロ丸の内線「新宿御苑前駅」 徒歩5分
🍃開園時間:
9:00~17:30(18:00閉園)
※月曜休(月曜日が祝祭日の場合は翌日)、年末年始(12/29~1/3)
🍃入園料: ※4回以上行くなら2000円の年間パスはお得。
一般 500円
※中学生以下は無料
☎ 03-3350-0151 (新宿御苑サービスセンター)
🌎 http://www.env.go.jp/garden/shinjukugyoen/
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