「マイホーム」と言えば新築・・・そんな時代はもう古い。日本常識は世界の非常識。なぜ日本だけがこんな歴史を歩んだのでしょうか・・・
「マイホーム」と言えば新築・・・そんな時代はもう古い。日本常識は世界の非常識。なぜ日本だけがこんな歴史を歩んだのでしょうか・・・
【なんで新築が多いの?】
データにあるように、いわゆる先進国の中では日本だけが未だ“新築中心”の市場であることが
わかります。
この理由を短絡的に「日本人は新しいものが好きだから・・・」では、乱暴ですね。
本当の理由は、戦争による住宅の焼失と戦後復興における急激な人口増加により「住宅不足」
が深刻化したことで、国策(住宅建設計画法)で新築を作ることを後押ししてきたに過ぎませ
ん。しかし、その政策的な役目はとっくに果たし、逆に空き家問題が勃発。さらには人口減少
社会が加速するなどの状況がようやく法改正を進めました。
それが2006年の「住生活基本法」の施行です。
これにより、いわゆる中古住宅ブームが徐々に始まりました。これにより「マイホーム=新築」
という固定観念から解放された消費者が、新たな選択肢として「中古住宅+リフォーム」という
可能性に気づいたと言えます。
これに気づいた不動産会社は、それまで一生懸命に「建売住宅」を作るための「土地」を買い
求めていたビジネスデルを転換し、「中古住宅」の買い取りに走り出しました。
この結果、現在は不動産会社が買い取ってから綺麗にリフォームされた住宅が転売され、消費
者がこれを購入するという取引も増えてきました。
【買い取り物件はお得なのか】
では、この買い取りされた物件を購入することは得なのでしょうか?
結論から言うと、費用面においても理想の住まいの実現という観点から言ってもお得とは言えま
せん。
例えば、費用面においては、不動産会社は当然ながら儲けるために買い取っていますので
「より多くの利益を得たい」「利益のためにはできるだけリフォーム費用は軽減したい」
と考えます。まして、不動産会社が買い取る場合には、一旦会社の名義にするための登記料費用
や、売れるまでの固定資産税などの税金もかかります。それらの経費も積み上がると販売価格の
10%ほどにもなります。この百万円単位の経費も買う方の販売価格に上乗せされていますので、
決してお得とは言えないことがわかると思います。
【では、なぜ買い取り物件を買ってしまうのか】
この内側のカラクリを知ってしまうと、買い取り物件は損かな・・・と感じると思います。
しかし、見た目には綺麗に仕上がっています。場合によっては新築並みに綺麗な物件もあるの
で、つい欲しくなるのも理解できます。
ただ、こうした買い取りされた物件に施されたリフォームは、売る側にとって見ると、あくまで
も誰が買ってくれるかわからない中で考えられたプランです。
いわゆる「建売」と同じく、カスタマイズ性のない70点のプランになります。
一生に一度とも言えるマイホーム・・・
夢を語らいながら創り上げる喜びを知ってほしいのです。
服だって、靴だって、働き方だって自分らしく選ぶ時代。その最たるマイホームこそ自分らしく
選びたいものですね。